Doll:祈-Inori-
石粉粘土 油彩仕上げ 自作眼
70cm
2003/04 制作
◇
少女月琴
束の間の安らぎは
夕暮れのようで
錯覚だけを残し
沈む太陽のようで
そして夜を引っ掛けた
鉤爪の月が昇る
泡のように
湖底の
水槽の
ほら
グラスの
消えてなくなる日々
どこか遠い国で切れた弦が
ひゅうひゅうと風に鳴いている
鉤爪に侵される
少女の乳房
奏でるのは
祈りの音色